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脚本家のディディエ・アルカントさん。背景は原爆ドーム=本人提供
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 11歳の時に広島を訪れ、平和記念資料館で「人影の石」を見ました。近くで原爆が炸裂(さくれつ)したため、銀行の石段に、人が腰掛けていた部分だけ影のように黒く残っている。

 座っていた人はその場で死亡したと推測されています。人が一瞬でチリになってしまうイメージが湧きました。まるで幽霊を見ているようで、非常にショックを受けた。

 その強烈な印象が、「なぜこんなことが起きたのか」という疑問につながりました。後に仏語版の「はだしのゲン」を読みふけりました。「バンド・デシネ」と呼ばれるアート色の強い漫画の制作に脚本家として関わるようになってから、その答えを求めて、原爆が開発されるまでの物語に取り組むことにしました。

 漫画「LA(ラ) BOMB…

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